新NISAではオルカンやS&P500が大本命ですが、もう少しアクティブな投資先としてFANG+について気になっている人もいるかと思います。この記事はFANG+について初心者にもわかりやすく解説します。
新NISAはS&P500でいい気がするけど、最近話題のFANG+もきになる。
FANG+はあのNASDAQ100よりアクティブな投資先だよ!
この記事で詳しく解説するね!
この記事の前半部分ではFANG+の概要を解説、後半部分ではFANG+とナスダック100の比較を紹介します。
この記事を読めば、新NISAでFANG+に投資するかしないかの参考になると思います。
私は2019年からNISAを取り組み、
現在、1000万以上の投資を行っています。
今回はFANG+について買うに値するか考察します。
FANG+(ファングプラス)とは
それではFANG+について解説します。
FANG+の名前の由来
FANGは
Facebook(現Meta Platforms)
Amazon
Netflix
Google(Alphabet)
の頭文字をとったもの
「+(プラス)」は上のFANG4社+6社の意味となっており、合計10社で構成されています。
- エヌビディア
- アップル
- テスラ
- マイクロソフト
- スノーフレーク
- ブロードコム
この指数は、テクノロジーとインターネット関連の最も影響力のあるビッグテック7社(マグニフィセント・セブン)をカバーしており、米国ハイテクセクターの成長を反映しています。
FANG+の構成比率【10%均等加重を採用】
FANG+の構成比率は以下の通り。
構成銘柄 | FANG+ |
メタ・プラットフォームズ | 11.0% |
エヌビディア | 10.1% |
アルファベットクラスA(グーグル) | 9.9% |
アップル | 9.8% |
アマゾン | 9.7% |
テスラ | 9.6% |
マイクロソフト | 9.3% |
ネットフリックス | 8.9% |
スノーフレーク | 8.9% |
AMD ※ | 8.2% |
※現在(2024.3)はAMDからブロードコムに入れ替わっている。
FANG+は各銘柄が均等に10%程度で組み入れられている「均等加重」が採用されているのが特徴です。
FANG+であればスノーフレークのようなスタートアップ企業の成長にかけています。
また最近のAIブームで急拡大したエヌビディアの成長をより多く取り込み上昇しました。
オルカンやS&P500などに採用されている「時価総額加重平均」であれば、時価総額が大きい、つまり上昇している銘柄に投資し、下落した銘柄に投資しません。
しかし均等加重では株価が下がった銘柄を均等な比率にするため買い直さないといけない逆張りな投資のため、当たった時はハイリターンですが、時価総額加重平均より一般にパフォーマンスが落ちる傾向にあります。
ブロードコム(AVGO)とスノーフレーク(SNOW)について
FANG+の構成銘柄の中でブロードコムとスノーフレークの2銘柄についてはみなさん知っていますか?
私は調べるまでよく知りませんでした。皆さんも馴染みがないと思うので紹介します。
ブロードコム(AVGO)
ブロードコムについて簡単に紹介します。
ブロードコムの概要
ブロードコムは、アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置く多国籍企業で、半導体およびインフラソフトウェア製品の開発、製造、販売を行っています。
1991年に設立され、特にスマートフォン、ルーター、スイッチなどの通信機器向けの半導体チップで知られており、世界5位の半導体メーカーです。
最大の顧客はあのアップルで、アップル製品の多くに同社の半導体が使用されており、売上の20%近くを占めていると言われています。2023年1月にアップルが2025年にはブロードコム製から自社製のチップに変更すると発表し、株価が急落しました。
またデータセンターのネットワーキング機器やサーバーとストレージを繋ぐインターフェース技術などネットワークインフラ分野にも高いシェアを誇ります。
さらにソフトウェア開発のCAテクノロジーを買収したことによりインフラソフトウェアの市場においても強固な地位を確立しています。
ブロードコムの株価推移
ブロードコムが上場してからの株価推移は下のチャートの通り。
素晴らしい、パフォーマンスです。FANG+の一角として申し分のない銘柄でしょう。
エヌビディアと同じく2023年から始まったAIブームの波に乗っていますね。
ブロードコムはAIチップの製造に直接関わっていませんが、AIアプリケーションがスムーズに機能するためのインフラとネットワーキングソリューションを提供しています。
2024年3月からFANG+インデックスに組み入れられていますので今後もこのパフォーマンスを維持してくれることを願いましょう。
スノーフレーク(SNOW)
スノーフレークについて簡単に紹介します。
スノーフレークの概要
スノーフレークは2012年にシリコンバレーで創業された会社で、マルチクラウド環境でのデータウェアハウスサービスを提供しています。
特に、ビジネスデータを一箇所に集約し、データの共有や高速な処理を可能にすることで知られており、グローバルでは3,400社以上の導入実績を誇ります。
またForbes 2000にリストされた企業のうち30%にそのサービスを提供しています。
データウェアハウスサービスってなに?
データウェアハウスサービスとは、大量のデータを収集、整理、保存し、分析やレポート作成のためにアクセス可能な状態に保つサービスのこと。企業がビジネス上の意思決定を行う際に使われるよ。
- 小売業者が顧客データ、販売データ、在庫データなど複数の情報源からデータを収集し、これらをデータウェアハウス内で統合して分析します。
そうすることで、顧客の購買傾向を理解したり、需要予測を行ったり、効果的な在庫管理を実現したりすることができます。 - 販売キャンペーンの効果を評価するためのレポートを生成することも可能です。
ウォーレン・バフェットとの関係
ウォーレン・バフェットのBerkshire Hathawayは、スノーフレークのIPOに投資し、当時の株価が120ドルの時に730万ドルを投資しました。
この投資は、スノーフレークが非常に高い評価額を持つ特別な企業であること、またバフェットが通常避けてきた高倍数のテクノロジー株にも関わらず、スノーフレークの将来性とその提供する価値を認めたことを示しています。
スノーフレークの株価推移
スノーフレークが上場してからの株価推移は下のチャートの通り。
2020年ー2021年は400ドル近くまで上昇しましたが、2022年からの高金利の影響によるベア相場で株価は下落し150ドル近くで推移しています。
スノーフレークはFANG+の10%近くを占めていますが、上場来パフォーマンスがマイナスということで、現在、絶好調のFANG+の足をひっぱっていることがわかりました。
今後の成長に期待したところですが、直近の決算もミスしていたのでFANG+の一角としては入替対象になるかもしれません。
FANG+の特徴 – NASDAQ100と徹底比較−
アクティブな投資先として有名なNASDAQ100との比較からみるFANG+の特徴を解説します。
- FANG+はNASDAQ100よりマグニフィセント・セブン銘柄に集中投資できる
- FANG+はNASDAQ100よりハイリターン
- FANG+はNASDAQ100よりハイリスク
FANG+はNASDAQ100よりマグニフィセント・セブンに集中投資できる
名前の由来は黒沢明監督作品の「荒野の7人」のリメイクで1960年に米国で公開された西部劇映画「マグニフィセント・セブン」。人気の7銘柄ということです。
FANG+とNASDAQ100のマグニフィセント・セブン銘柄の構成比率は以下の通り。
構成銘柄 | FANG+ | NASDAQ100 |
メタ・プラットフォームズ | 11.0% | 3.8% |
エヌビディア | 10.1% | 4.3% |
アルファベットクラスA(グーグル) | 9.9% | 3.2% |
アップル | 9.8% | 10.8% |
アマゾン | 9.7% | 5.3% |
テスラ | 9.6% | 3.2% |
マイクロソフト | 9.3% | 9.4% |
マグニフィセント・セブン合計 | 69.4% | 40.0% |
ファンド交付目論見書(2023.12)
このようにNASDAQ100よりFANG+のほうがマグニフィセントセブンに集中投資できることがわかります。
直近10年の米国株はあきらかにこのマグニフィセント・セブンが牽引してきました。
下のチャートはS&P500の中でマグニフィセントセブンとそれ以外の493社のパフォーマンスを比較したチャートになります。
結果、直近10年間のS&P500の値上がりはマグニフィセント・セブンの寄与がほとんどであり、残りの493銘柄はS&P500の足を引っ張っていることを示しております。
S&P493に投資せず、マグニフィセント・セブンだけに投資したいならFANG+に投資するのがいいでしょう。
FANG+はNASDAQ100よりハイリターン
直近5年間のFANG+(赤線)、NASDAQ100(青線)、S&P500(緑線)のパフォーマンスを比べてみました。
値上がり率
FANG+(赤線):+273%
NASDAQ100(青線):+144%
S&P500(緑線):+81%
比較の結果、直近5年間の値上がり率はFANG+が圧倒的でした。
直近5年間でFANG+のハイリターンとなったのは上記でも述べたようにマグニフィセント・セブンのパフォーマンスに起因します。
リターンはマグニフィセント・セブン銘柄の比率の高いS&P500<NASDAQ100<FANG+の順となっているかと思います。
FANG+はNASDAQ100よりハイリスク
下落時のチャートやボラティリティ(値動き幅)を見てFANG+とNASDAQ100のリスクを比較してみましょう。
下落時のチャート
先ほどのチャートはFANG+の素晴らしい値上がりを示していましたが、株価チャートは切り取る時期を変えてみると、見える風景もかわります。
2021年1月から2023年1月までのチャートをみてみましょう。
この時期は米国株は2021年1月にピークをつけ、2023年初頭まで下落を続けた時期となります。
値上がり率
FANG+(赤線):-29%
NASDAQ100(緑線):-14%
S&P500(青線):+3%
先ほどの結果とは逆でFANG+が1番パフォーマンスが悪い結果になりましたね。
FANG+は株価が下落基調の際は値下がりが激しいことがわかりました。
FANG+に投資する際は株価下落のリスクも承知で投資しなければなりません。
年率換算ボラティリティの比較
次に直近5年間のFANG+とナスダック100のボラティリティ(価格変動幅)を計算してみました。(参考にS&P500も計算)
直近5年の年率換算ボラティリティ | |
FANG+ | 32.6% |
NASDAQ100 | 25.7% |
S&P500 | 21.3% |
ボラティリティの意味するところはFANG+であれば1年で32.6%以下の値動きが68%の確率(標準偏差の性質)で起こることを示しています。
要は値動きの幅が1年で±32.6%である確率が高い(7割弱)ということ。
チャートを見てみると基本的にFANG+は常にNASDAQ100やS&P500より値動きが激しいことがわかりますね。
ただし、2020年3月のコロナショック時には少し勝手が違うようです。
これはFANG+に金融セクター銘柄が組み込まれていないため直接的なダメージがないことに起因してます。
FANG+に投資をするならこのハイリスクを考慮して投資しなければなりません。
資産形成とは長期保有できるかということが1番重要であるため、この値動きに精神的に耐えられないという方はNASDAQ100、もしくはさらにリスクの低いS&P500への投資をおすすめします。
新NISAでの投資可能銘柄 iFree NEXT FANG+インデックス
新NISAでFANG+に投資できる銘柄は現在、大和アセットマネジメントから出ている「iFree NEXT FANG+インデックス」のみとなります。
当銘柄の概要をまとめました。
運用コストが高い
この商品の信託報酬率は0.7755%(実質コストは0.79%)とコストが高いです。
オルカンやS&P500インデックスに連動した投資信託は価格競争により0.1%以下の信託報酬率を実現しているのを考えると当該銘柄に投資するのは慎重に考えるがあります。
100万円投資する場合、1年で8000円程度のコストがかかります。
さらに1000万円では8万円ですから無視できないコストになりますね。
この高いコストも高リターンで相殺できると信じるなら投資してもいいでしょう。
純資産が1000億円を突破!
FANG+の勢いが止まりません。
わずか1年弱で純資産が1000億円を突破しました。
現在、ありえないくらい売れていて、純資産額の増え方もすごいです。
下が純資産の推移チャートになります。新NISAがはじまった2024年1月からの伸びがすごいですね。
なんで、純資産額が大きい方がいいの?
実は2つのメリットがあるんだよ!
1つ目:償還リスクがなくなる。
2つ目:信託報酬率を下げられる可能性がある。
ファンドの人気がなくなると償還(ファンド自体がなくなる)され、強制的に売却されてしまうリスクがあります。
純資産額が大きいとこの償還リスクがなくなります。
また純資産額が大きいと売り上げも大きいため、信託報酬率の引き下げが行われる可能性があります。
しかし、今回のiFreeNEXT FANG+インデックスには同じ指数に連動した競合銘柄がいないので引き下げの可能性は低いです。
【新NISA】FANG+のまとめ
以上、「FANG+の概要」と「NASDAQ100と比較したFANG+の特徴」をまとめました。
最後にこの記事で紹介した内容をまとめてみましょう!
- FANG+は均等加重で米国ハイテクセクター10社に投資できるインデックス
均等加重は逆張りな投資のためハイリスク - ブロードコムには期待でき、スノフレークは期待が薄い
- 新NISAでは投資できるのは「iFree NEXT FANG+インデックス」のみ
純資産額1000億円超と売れている。ただし競合がいないのでコストが高い。
・FANG+の方がNASDAQ100よりマグニフィセント・セブンに集中投資できる
→構成比率 FANG+:69.4%、NASDAQ100:40.0%
・FANG+の方がNASDAQ100よりハイリターン
→直近5年間リターン FANG+:+273%、NASDAQ100:+144%
・FANG+の方がNASDAQ100よりハイリスク
→直近5年の年率換算ボラティリティ FANG+:32.6%、NASDAQ100:25.7%
FANG+はNASDAQ100よりハイリスク、ハイリターンなアクティブな投資先になります。
リターンを求めるのはいいですが、FANG+はハイテクに偏ったNASDAQ100よりさらにリスクが高いことを考慮すると多くの資金を投じるのはおすすめしません。さらにコストが高いのも長期投資には不利になるので気になります。
当ブログでは一貫して新NISAではよりリスクの少ない、S&P500やオルカンなどのインデックス投資をメインにすることをおすすめしています。
今回紹介したFANG+に投資する場合はあくまでサブとして資産の1〜2割以下で運用するようにしてください。
その方が、精神的にも安心して長期投資ができます。
新NISAでもっとも重要なのは相場から降りず、長期で居続けることです。それが最も再現性高く、勝率が高い方法なのでその点を考慮して、FANG+に投資してください。
最後に、記事で紹介したFANG+に興味を持った方はアクティブな投資について検討している方だと思います。
以下の記事ではFANG+を含めてアクティブな投資を紹介しているので参考にしてみてくださいね。
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