2025年2月13日、新NISAで大人気の「オルカン」のベンチマークである「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)指数」の構成銘柄の入替が発表されました。
今回の入れ替えでは23銘柄が新たに追加され、107銘柄が除外されました。
オルカンのベンチマークであるMSCI ACWIのニュースですが、皆さんは自分が投資している「オルカン」とACWIの関係性を知っていますか?
自分が投資している商品について理解が足りないと暴落や不況がきた時に不安になり狼狽売りしてしまいます。
インデックス投資で重要な相場から降りず、長期で居続けることができなくなってしまうのです。
今回のACWIの構成銘柄入れ替えのニュースを皮切りにオルカンの中身の理解を深めましょう!
この記事の前半部分では「オルカンとMSCIの関係性」を解説、後半部分では「2025年2月のACWIの銘柄入れ替え内容」を紹介します。
この記事を読めば、自分が投資しているオルカンの中身がわかるようになり、より投資握力(狼狽売りしない力)が高まりますよ。

私は2019年からNISAを取り組み、
現在、1000万以上の投資を行っており、含み益は500万円以上を達成。
下画像の通り、オルカンへの投資もしております。
今回はMSCI ACWIの銘柄入換について書きました。


オルカンのベンチマーク「MSCI ACWI」とは?


MSCI ACWI(All Country World Index)は、先進国23カ国と新興国24カ国の大型株および中型株で構成され、世界の投資可能な株式市場の約85%をカバーするグローバルな株価指数です。
MSCI=モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社のこと。
同社が算出・公表する指数のことをMSCI指数と呼ぶ。
MSCI ACWI指数の概要は以下の通り。
MSCI ACWI指数 | |
---|---|
構成銘柄数(2025年1月時点) | 2647 |
構成国 | 先進国23カ国、新興国24カ国 |
全世界カバー率 | 85% |
純資産額 | 約4.9兆ドル |
ACWIがカバーしていない残りの15%のうち14%は全世界株式小型株式指数であるMSCIオールカントリー・ワールド・インデックス・スモールキャップがカバーしています。
オルカンとMSCI ACWIの関係
MSCI ACWIなどの指数の位置づけは以下の通りです。
MSCI ACWIはMSCI ワールド・インデックスとMSCI エマージング・マーケット・インデックスを合わせたもので、先進国および新興国を含む広範な市場を網羅しています。
地域 | 国 | 指数名 | ||
---|---|---|---|---|
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI) | 先進国 | 日本 | MSCI ワールド・インデックス | MSCI ジャパン・インデックス |
日本以外の先進国 | MSCI コクサイ・インデックス | |||
新興国 | MSCI エマージング・マーケット・インデックス | |||
フロンティア国 | MSCI フロンティア・マーケット・インデックス | |||
投資不可能国 | MSCI スタンドアローン・マーケット・インデックス |
ACWIはオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー))のベンチマークとなっていますが、ACWI(赤背景)に直接投資しておらず、青背景のMSCIジャパン・インデックス、MSCIコクサイ・インデックス、MSCI エマージング・マーケット・インデックスに投資を行っています。


MSCI ACWIの国別割合
2025年1月31日時点のMSCI ACWIの国別割合は以下の通り。アメリカが66.41%とかなりの部分を締めていることがわかります。2位は日本ですが、4.75%とアメリカの1/10以下となっています。


新興国の国別割合
中国以外の新興国ついては上の円グラフ上でOtherに分類されており、割合が不明なのでMSCI エマージング・マーケット・インデックスの割合も載せておきます。
中国と台湾で5割弱、インドが2割弱、韓国が1割弱、ブラジルが約4%という割合でした。
ACWIでの新興国の割合はエマージング・マーケット・インデックスの割合が全体の10%程度なので上記割合の1/10となるでしょう。


【2025年2月】オルカンのベンチマークMSCI ACWIの銘柄入れ替えについて


2025年2月11日の発表によると、MSCI ACWI指数の最新の定期見直しでは、23銘柄が新たに追加され、107銘柄が除外されることが決定しました。この変更は2月28日の取引終了時点で実施されます。
ACWIの銘柄入れ替えについて
ACWIは年に4回(2月、5月、8月、11月)、銘柄入替を行っています。
今回の入れ替えのように、ACWI、すなわち「オルカン」は企業業績の変化に合わせてインデックスの構成銘柄を自動的に入れ替えます。入れ替えによる新陳代謝が働き、常に厳選された銘柄になっているということです。
成長がないダメな企業は除外し、成長が著しい企業を追加するということを自動でやってくれるんです!
これが「オルカン」のようなインデックス投資の強みですね。
追加される時価総額上位3銘柄
追加される時価総額上位3銘柄は、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス、レディット、ナテラとなっています。
3社の概要は以下の通り。
ユナイテッドエアラインズ・ホールディングス(UAL):
言わずとしれたユナイテッド・エアラインの親会社。2002年に経営破綻したが、再建後にコンチネンタル空港と合併し、旅客キロベースで世界最大の航空会社となった。日本もANAも加盟している航空連合スターアライアンスの中心的存在で約800機を保有し、世界373都市に就航。
レディット(RDDT):
2005年にアメリカで設立された英語圏で人気のSNS。ニュース記事、画像リンクやテキストを投稿し、他のユーザーが評価やコメントを付けることでコンテンツのランキングが決定される仕組みとなっている。2021年9月時点の月間アクティブユーザー数は4億3000万人に達しました。特に10代から20代の若年層に人気があります。2024年3月に米国でIPOで上場、時価総額80億ドルという大型上場となりました。
ナテラ(NTRA):
ナテラは、米国テキサス州オースティンに本社を構える遺伝子診断企業で、非侵襲的出生前診断(NIPT)、がん検査、臓器移植モニタリングなどの分子診断技術を提供しています。特に無細胞DNA(cfDNA)解析を用いた検査が特徴で、精度の高い遺伝子解析を実現しています。2004年に設立され、2015年にNASDAQへ上場。医療分野における革新的技術で、遺伝子検査市場をリードする企業の一つです。
日本企業の入れ替え
日本企業での追加、除外は以下の通り。追加が1社で除外が9社と日本企業が減ってきています。
原因の一つは円安によるものです。円安により、時価総額が大きく目減りしており、そのせいで除外となっています。
追加 1社 | 除外 9社 |
---|---|
東京メトロ | ブラザー工業 |
日立建機 | |
ジャパンリアルエステイト投資法人 | |
KOKUSAI ELECTRIC | |
日本マクドナルドホールディングス | |
三井化学 | |
しずおかフィナンシャルグループ | |
東京電力ホールディングス | |
TOTO |
また、MSCI新興国市場指数には、ヒュンダイ・モーター・インディア、アラブ首長国連邦のエマール・デベロップメント、中国のJ&Tグローバル・エクスプレスなどが追加されます。
新たに追加された「東京メトロ」について


新たに追加された東京メトロは、2024年10月にIPO(新規上場)を果たしました。その抜群の知名度に加え、時価総額が約6400億円と超大型IPOとなりました。
特に首都圏の公共交通機関としての強固な基盤が投資家から高く評価され、現在は時価総額1兆円を超えています。
東京メトロの株価
株価は以下の通り。1月に大きな下落があったものの、現在では回復しており、順調そうですね。


東京メトロの株主優待
また、定期券やグッズの割引など、魅力的な株主優待制度も導入しています。
株主優待は「全線切符(片道)」および「全線定期乗車券」であり、所有株式数に応じて発行されます。
全線定期乗車券は1万株以上で年2枚くれるというものでSNSなどで話題になりました。
しかし、個別株への投資は市場や企業固有のリスクが伴うため、分散投資を行うインデックスファンドなどと比較してリスクが高い可能性があります。投資判断は慎重に行うことが重要です。
過去1年間(2024年2月〜2025年2月)のMSCI ACWIの入替について


過去1年でACWIの銘柄数がここ1年で銘柄数が大きく減っています。
これは以下の過去1年間の入替数を見てもわかります。
入替時期 | 入換数 |
---|---|
2024年2月 | 24銘柄の追加、101銘柄の除外 |
2024年5月 | 42銘柄の追加、121銘柄の除外 |
2024年8月 | 27銘柄の追加、96銘柄の除外 |
2024年11月 | 22銘柄の追加、57銘柄の除外 |
2025年2月 | 23銘柄の追加、107銘柄の除外 |
この1年の銘柄数の減少はアメリカのビックテックの台頭が原因だと考えております。
一部のビックテックの時価総額が巨大となったため、時価総額の小さな企業が除外されていくのです。
その証拠に以下のグラフの通り、アメリカの国別割合が大きくなっているのがわかるでしょう。
MSCI ACWIの入れ替え(日本企業)
日本企業もここ一年でかなりの数の企業がACWIから除外されています。円安による時価総額の減少が原因です。
入替時期 | 追加 | 除外 |
---|---|---|
2024年2月 | SCREENホールディングス | 住友化学 東ソー 王子ホールディングス コーセー オープンハウスグループ ベイカレント・コンサルティング 大和ハウスリート投資法人 コーエーテクモホールディングス |
2024年5月 | アシックス | シャープ 清水建設 小田急電鉄 東武鉄道 ヤマハ スクウェア・エニックス・ホールディングス 朝日インテック アズビル GLP投資法人 ヒロセ電機 飯田グループホールディングス 日本都市ファンド投資法人 KDX不動産投資法人 ミスミグループ本社 ユー・エス・エス |
2024年8月 | KOKUSAI ELECTRIC | 日産化学 NIPPON EXPRESSホールディングス 小糸製作所 近鉄グループホールディングス ヤマトホールディングス 野村不動産マスターファンド投資法人 |
2024年11月 | フジクラ | マツダ イビデン 野村不動産ホールディングス 浜松ホトニクス 京成電鉄 日本プロロジスリート投資法人 ローム SUMCO |
2025年2月 | 東京メトロ | ブラザー工業 日立建機 ジャパンリアルエステイト投資法人 KOKUSAI ELECTRIC 日本マクドナルドホールディングス三井化学 しずおかフィナンシャルグループ 東京電力ホールディングス TOTO |
まとめ


以上、「オルカンとMSCIの関係性」、「2025年2月のACWIの銘柄入れ替え内容」をまとめました。
最後にこの記事で紹介した内容をまとめてみましょう!
- MSCI ACWI(All Country World Index)は、先進国23カ国と新興国24カ国の大型株および中型株で構成され、世界の投資可能な株式市場の約85%をカバーするグローバルな株価指数。
- オルカンのベンチマークは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」
ただし、ACWIには直接投資しておらず、MSCIジャパン・インデックス、MSCIコクサイ・インデックス、MSCI エマージング・マーケット・インデックスに投資をしている。 - 国別割合はアメリカが66.41%とかなりの部分を締めており、2位は日本ですが、4.75%とアメリカの1/10以下。
- 2025年2月11日の発表によると、MSCI ACWI指数の最新の定期見直しでは、23銘柄が新たに追加され、107銘柄が除外される。
- ACWI、すなわち「オルカン」は企業業績の変化に合わせてインデックスの構成銘柄を自動的に入れ替える。入れ替えによる新陳代謝が働き、常に厳選された銘柄になっている
- 追加される時価総額上位3銘柄は、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス、レディット、ナテラ
- 日本企業は東京メトロが追加、東京電力など9社が除外される
- 過去1年でACWIの銘柄数がここ1年で銘柄数が大きく減っている。原因はアメリカのビックテックの台頭。
- 日本企業もここ1年でかなりの数の企業がACWIから除外されいる。円安による時価総額の減少が原因。
今回の記事でわかったようにオルカンは年に4回銘柄入れ替えを行い、銘柄が常に厳選されています。
皆さんが選んだもしくは選ぼうとしている「オルカン」はこのように素晴らしい機能をもったインデックス指数なのです。
今後も今回のように投資商品の中身を紹介する記事を書くのでよかったら見てきてください。そして自分の投資する商品について理解を深めて投資握力を高めていってくださいね。それが投資で成功する再現性の高い方法だと思います。
最後に、記事で紹介した「オルカン」に興味を持った方は新NISAを始めて間もない方もしくは新NISAを始めるか検討している方だと思います。
以下の記事でおすすめの証券会社であるSBI証券について詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。


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