2024年1月から始まった新NISAは投資枠が年間40万円から年間360万円まで、非課税の生涯上限枠は1800万円までと、非常に大きな変更となりました。
新NISAではオルカンやS&P500が大人気ですが、よりアクティブな投資先としてナスダック100について気になっている人もいるかと思います。
新NISAはS&P500でいい気がするけど、爆益で話題のナスダック100もきになる。
ナスダック100はよりアクティブな投資先としておすすめです。
この記事で投資するメリットとデメリットどちらも教えるね!
この記事の前半部分では「ナスダック100を選ぶべき理由と注意点」を解説、後半部分では「ナスダック100のおすすめ銘柄紹介、銘柄比較」を紹介します。
この記事を読めば、新NISAでナスダック100に投資する際に最もよい銘柄がきっと見つかりますよ。
私は2019年からNISAを取り組み、
現在、1000万以上の投資を行っています。
今回は新NISAのナスダック100おすすめ銘柄について紹介します。
新NISA制度の概要
まずは新NISAの概要から!
2024年1月から始まった新NISA(少額投資非課税制度)は、個人が税金の心配なく投資をして長期的に資産を増やすことを助ける制度です。
この制度は長期投資を促し、より多くの人々が資産形成を行えるようにすることを目指しています。
概要は下の図の通り。
旧NISAとの比較は下の表の通り。神改正です。
新NISA | 旧NISA | |
非課税保有期間 | 無期限 | つみたて:20年 一般:5年 |
年間投資枠 | つみたて:120万円 成長:240万円 ※併用可 | つみたて:40万円 一般:120万円 ※併用不可 |
非課税保有限度額(総枠) | 1800万円 (成長:1200万円) | なし |
非課税保有限度額の再利用 | 可能 | 不可 |
ナスダック100を選ぶべき理由3選
それでは新NISA枠でナスダック100を選ぶべき理由3選を紹介します。
ナスダック100は米国のハイテク企業上位100社に投資できます。
米国のビッグテックの成長に期待するならナスダック100に投資するのがいいでしょう。
- S&P500より米国のビッグテックに集中投資できる
- S&P500より高いパフォーマンス
- 金融ショックに強い
S&P500より米国のビッグテックに集中投資できる
ナスダック100の構成銘柄、構成比率についてS&P500と比較してみます。
構成銘柄 | ナスダック100 | S&P500 |
アップル | 10.8% | 7.0% |
マイクロソフト | 9.4% | 7.0% |
アマゾン | 5.3% | 3.4% |
エヌビディア | 4.3% | 2.9% |
メタ・プラットフォームズ | 3.8% | 1.9% |
上位5銘柄合計 | 33.6% | 22.2% |
ファンド交付目論見書(2023.12)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)交付目論見書(2024.1)
ナスダック100の上位5社だけで33.6%とS&P500よりも米国のビッグテックに集中投資できることがわかります。
このように米国のビッグテックの成長にかけるならナスダック100に投資しましょう。
S&P500より高いパフォーマンス
ナスダック100とS&P500の直近20年間のチャートを比べてみます。
値上がり率
ナスダック100(赤線):+1172%
S&P500(青線):+352%
結果、20年という長期で比べてみてもS&P500よりナスダックのほうが高いパフォーマンスとなっていることがわかりました。
しかも、1000%以上!S&Pもすごいですが、ナスダック100はさらにすごいパフォーマンスですね。
このようにナスダック100に投資することで一般的なインデックス指数であるS&P500の3倍近くのリターンを得ることができます。
金融ショックに強い
ナスダック100はハイリスクハイリターンな投資先というイメージですが、意外にもリーマンショックやコロナショックなどの金融ショックではS&P500より値動きが小さかったのです。
下の図はリーマンショック、コロナショック時のボラティリティ(価格変動幅)を示したチャートになります。
ボラティリティが高いほうが値動きが激しいということ。下のチャートでは水色線のナスダック100のほうがボラティリティが低いことがわかりますね。
ナスダック100が金融ショックに強い理由
- 金融セクターの比率が低く、直接的な影響が少ないため
- 財務状況が素晴らしい企業群であるため。負債に対し、現金を多くもっている
ナスダック100のセクター比率
ナスダック100のセクター比率をみてみましょう。
セクター比率を見てみると金融セクターは0.6%と低く、金融ショックを直接的に影響を受けません。逆にS&P500は金融セクターが18%程度あるのでその影響を少なくとも受けるでしょう。
ナスダック100の財務状況
ナスダック100の財務状況をS&P500と比較すると以下の結果となります。
ナスダック100の方が負債に対して多くの現金を有しており、S&P500より財務状況が優れているため、不況からの回復力があるのではないかと推測されています。
ナスダック100を選ぶ際の注意点
先ほどはナスダック100を選ぶべき理由を紹介しましたが、ここでは選ぶ際の注意点を1つ紹介します。
S&P500より値動きがはげしく、リスクが高い。
上記のことを考慮してナスダック100を選んでいただければと思います。
S&P500より値動きがはげしく、リスクが高い。
ナスダック100はS&P500よりも値動きもはげしくリスクが高いです。特に株価下落時の値動きが激しく、この値動きに耐えられるかが投資する判断材料になるでしょう。
株価下落時の値動きについて
2022年1月から2023年1月までのチャートをみてみましょう。
この時期は米国株は2021年1月にピークをつけ、2023年初頭まで下落を続けた時期となります。
パフォーマンス
ナスダック100(緑線):-33.0%
S&P500(青線):-18.3%
先ほどの20年間のチャートと結果とは逆でナスダック100のほうがS&P500よりパフォーマンスが悪い結果になりましたね。
ナスダック100は株価が下落基調の際は値下がりが激しいことがわかりました。
ナスダック100に投資する場合はこの-30%以上の値下がりを覚悟で投資しなければなりません。
ボラティリティについて
次に直近5年間のS&P500とナスダック100のボラティリティ(価格変動幅)を計算してみました。
直近5年の年率換算ボラティリティ | |
ナスダック100 | 25.7% |
S&P500 | 21.3% |
ボラティリティの意味するところはナスダック100であれば1年で25.7%以下の値動きが68%の確率(標準偏差の性質)で起こることを示しています。
この結果からわかるようにナスダック100は常にS&P500より値動きが激しいです。
注目は前のセクションで紹介したように2020年3月に発生したコロナショックではボラティリティがS&P500より低いということです。
ただし、ナスダック100を選ぶ際の注意点として基本的に常に値動きが激しいということを覚えておいてくださいね。
新NISAの必勝戦略はあくまでも長期投資なので下落や値動きの激しさに耐え、売却しないという決意がもてるならナスダック100を選んでもいいかと思います。
その決意がない方にはナスダック100への投資はおすすめしません!
ナスダック100のおすすめ銘柄
新NISAでナスダック100に投資できる主な商品は以下の4つです。
ナスダックに連動する投資信託はこれまで大和の「iFreeNEXT NASDAQ100」が有名でしたが、信託報酬が0.495%とインデックス連動の投資信託としてはコストが高めでした。
しかし、最近になって状況が一変、2023年にニッセイが、そして2024年に入ってからは楽天がナスダック100に連動する低コストの投資信託をだしました。
どちらも0.2%程度の信託報酬ということで待望のナスダック100に連動する低コストファンドが登場し、大きな注目を集めています。
おすすめは「ニッセイNASDAQ100」
ニッセイ NASDAQ100
おすすめのニッセイNASDAQ100の特徴について説明します。
純資産が1000億円を突破し、1位に!
ニッセイNASDAQ100の勢いが止まりません。
わずか1年弱で純資産が1000億円を突破し、4つのファンドの中で最も純資産額が大きくなりました。
現在、ありえないくらい売れていて、純資産額の増え方もすごいです。
下が純資産のチャートになります。新NISAがはじまった2024年1月からの伸びがすごいですね。
2018年8月発売のiFreeNEXT NASDAQ100の純資産額を追い抜いたことを考えるとニッセイNASDAQ100がいかに売れているかがわかります。
なんで、純資産額が大きい方がいいの?
実は2つのメリットがあるんだよ!
1つ目:償還リスクがなくなる。
2つ目:信託報酬率を下げられる可能性がある。
ファンドの人気がなくなると償還(ファンド自体がなくなる)され、強制的に売却されてしまうリスクがあります。純資産額が大きいとこの償還リスクがなくなります。
また純資産額が大きいと売り上げも大きいため、信託報酬率の引き下げが行われる可能性があります。あまり期待しすぎるのは良くないですが、純資産額が大きければそういう棚ぼたもあるかも!
コストが安い
ニッセイNASDAQ100が売れている理由はやはり信託報酬の低さによるものです。
信託報酬率はナスダック100投資信託の中でトップクラスの低コストで0.2035%となってます。
ただし、年間の実質コストは信託報酬率のほかに隠れコストと呼ばれるものと合算で算出されます。
実質コストは1年経過してみないとわからないのですが、まだこの投資信託は2023年3月に設定されているので1年経っていません。しかし、半年間経過した際の運用報告書をみると年率0.26%になると想定されていました。
想定通り0.26%となればさらに大人気のファンドとなるでしょう。
2024年4月には実質コストがわかるので楽しみですね。
他の3つの投資信託について
ニッセイNASDAQ以外の3つの投資信託について特徴を説明します。
- iFreeNEXT NASDAQ100
コストが高い、唯一つみたて枠で投資可能 - 楽天 NASDAQ100
信託報酬率が最安、楽天証券のみ - eMAXIS NASDAQ100
純資産も大きく、信託報酬もまずまず
iFreeNEXT NASDAQ100
iFreeNEXT NASDAQ100は唯一のつみたて投資枠で投資可能。
長期投資に有効なつみたてで新NISAを活用したいならiFreeNEXT NASDAQ100を選ぶといいでしょう。
ただし、コストは高めなので注意です。隠れコストも加味した実質コストは0.516%です。後ほどでてくるシミュレーション結果ではこのコストの高さが損益にきいてきます。
楽天 NASDAQ100
楽天NASDAQはナスダック100投信の中で信託報酬が最安です。
ただし、出たばかりなので実質コストがわかるのが2025年2月です。当分先なのでまだ様子見しましょう。
こちらも純資産も1ヶ月ちょっとで176億円ですから売れてますね。楽天証券ユーザーであれば注視するべきです。
楽天証券ユーザー以外は買えませんのでニッセイにしましょう。
eMAXIS NASDAQ100
eMAXIS NASDAQ100は純資産も大きく、信託報酬も0.440%とiFreeNEXTよりも低いのでニッセイが出る前は大本命の投資先でした。バランスの取れた良いファンドです。
隠れコストを加味した実質コストもでていまして、0.463%でした。
ただし、ニッセイの方がコストが安いと想定されるのでニッセイNASDAQ100に投資をした方がよいでしょう。
投信保有ポイントを含めたコスト比較
投資信託は保有するだけでポイントがもらえる投信保有ポイントサービスが各証券会社にあります。
この投信保有ポイントを含めたコスト(信託報酬ーポイント)を比較してみます。
投信保有ポイントは信託報酬が原資なので信託報酬が高めなiFreeNEXT、eMAXISはポイントが高めに設定されています。
- iFreeNEXT:松井証券(0.28%)
- ニッセイ:SBI証券、松井証券(0.1535%)
- 楽天:楽天証券(0.148%)
- eMAXIS:松井証券(0.26%)※1000万円以上ならSBI証券(0.25%)
信託報酬率のみの比較よりも低コストファンドと差は縮まった感じはありますね。ただしその差は以前として0.1〜0.15%程度あります。
同じナスダック100に投資するなら低コストな楽天NASDAQ100もしくはニッセイNASDAQ100に投資することをおすすめします。
シミュレーションによるリターン比較
いままで紹介してきた4つの投資信託の違いとし最も重要なのがコストの差です。
このコストの差がリターンにどのように効いてくるのか確認するために長期つみたてのシミュレーションをしてみたのでみてみましょう。
※今回シミュレーションで使うコストは実質コストではなく、「コスト=信託報酬率ー投信保有ポイント」のこと。(楽天やニッセイは実質コストが不明のため)
- 毎月積立額:月3万円
- 投資利回り:10%
- 積立年数:30年
- 比較対象(投資商品×証券会社):
No.1:楽天NASDAQ100×楽天証券(コスト=0.148%)
No.2:ニッセイNASDAQ100×SBI証券(コスト=0.1535%)
No.3:iFreeNEXT NASDAQ100 ×松井証券(コスト=0.28%)
No.4:eMAXIS NASDAQ100×松井証券(コスト=0.26%)
No.5:iFreeNEXT NASDAQ100×SBI証券(コスト=0.495%)
銘柄 | 最終資産額 |
No.1:楽天NASDAQ100×楽天証券 | 約6571万円 |
No.2:ニッセイNASDAQ100×SBI証券 | 約6563万円 |
No.3:iFreeNEXT NASDAQ100×松井証券 | 約6389万円 |
No.4:eMAXIS NASDAQ100×松井証券 | 約6416万円 |
No.5:iFreeNEXT NASDAQ100×SBI証券 | 約6105万円 |
コストが最安な「楽天NASDAQ100×楽天証券」とコストが1番高い「iFreeNEXT NASDAQ100」の最終資産額の差は約466万円という結果となりました。
この差はかなり大きいですよね。
投資をする上で投資信託のコストがいかに大切か改めて確認することができたとおもいます。
何度も言うようですがナスダック100に投資するなら低コストな楽天NASDAQ100かニッセイNASDAQ100に投資することをおすすめしますよ。
また証券会社との組み合わせも重要であることもわかりました。
コストが高いiFreeNEXTでも松井証券で投資すれば「楽天NASDAQ100×楽天証券」との差は約182万円まで縮まります。
長期投資に向いている新NISAのつみたて枠で投資したいなら「iFreeNEXT NASDAQ100×松井証券」の組み合わせがいいでしょう。
【新NISA】ナスダック100のまとめ
以上、ナスダック100を選ぶべき理由とおすすめ投資銘柄をまとめました。
最後にこの記事で紹介した内容をまとめてみましょう!
- S&P500より米国のビッグテックに集中投資できる
- S&P500よりハイリスクハイリターン、ただし金融ショックには強い
・ニッセイNASDAQ100
→ナスダック100に投資できる投資信託でトップクラスにコストが安い。(0.26%)
また多くの証券会社で投資可能
・楽天NASDAQ100
→信託報酬が最安!ただし、できたばかりで実質コストは不明。楽天証券のみで投資可能
・iFreeNEXT NASDAQ100
→新NISAのつみたて枠で投資可能。信託報酬率は0.455%と高めだが、松井証券ならポイントで実質0.28%まで安くできる
ナスダック100は過去20年間でS&P500よりリターンがよかったです。ただし、ボラティリティが高いのでそこが注意点です。
このリスクを考慮するとナスダック100だけを全力投資することはおすすめしません。
新NISAではナスダック100よりリスクの少ない、S&P500やオルカンなどのインデックス投資をメインにすることをおすすめします。
今回紹介したナスダック100に投資する場合はあくまでサブとして資産の2割以下で運用するようにしてください。
その方が、精神的にも安心して長期投資ができます。
新NISAでもっとも重要なのは相場から降りず、長期で居続けることです。それが最も再現性高く、勝率が高い方法なのでその点を考慮して、ナスダック100に投資してください。
最後にまだ新NISAを始めていない方、この記事で紹介したナスダック100に興味を持った方は解説した通り、証券会社ごとに買える商品、もらえるポイントもちがうので証券会社も比較検討してみてください。
以下の記事でおすすめの証券会社を紹介しているので参考にしてみてくださいね。
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