新NISAではオルカンやS&P500が大本命ですが、もう少しアクティブな投資先として半導体セクターに集中投資するSOX指数について気になっている人もいるかと思います。
この記事はSOX指数について初心者にもわかりやすく解説します。
新NISAはS&P500でいい気がするけど、絶好調のSOX指数もきになる。
SOX指数はあのNASDAQ100よりアクティブな投資先だよ!
この記事で詳しく解説するね!
この記事の前半部分ではSOX指数の概要を解説、後半部分ではSOX指数とナスダック100の比較を紹介します。
この記事を読めば、新NISAでSOX指数に投資するかしないかの参考になると思います。
私は2019年からNISAを取り組み、
現在、1000万以上の投資を行っています。
今回はSOX指数について買うに値するか考察します。
SOX(ソックス)指数とは
それではSOX指数について解説します。
SOX(ソックス)指数の概要
SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)
半導体業界の主要企業を含む指数で、半導体の設計、製造、販売などを手掛ける企業30社に投資する指数
フィラデルフィアという名称が付いている理由はもともとフィラデルフィア証券取引所が算出、公表していたためです。
この名称はその時の名残ですね。現在はナスダックがフィラデルフィア証券取引所を買収しており、算出、公表しています。
半導体は現在ブームであるAIをはじめとした現代のあらゆるテクノロジーに不可欠であり、このセクターの企業は継続的な需要増加を背景に成長する可能性が高いです。
SOX指数の構成比率【時価総額平均加重を採用】
SOX指数の上位10銘柄および構成比率は以下の通り。
SOX構成銘柄 | |
エヌビディア | 10.7% |
AMD | 9.4% |
ブロードコム | 9.0% |
クアルコム | 7.7% |
インテル | 6.1% |
ASMLホールディング | 4.4% |
アプライド・マテリアルズ | 4.3% |
台湾セミコンダクター(TSMC) | 4.2% |
ラムリサーチ | 4.2% |
KLA | 4.0% |
構成比率はS&P500と同じ、時価総額加重平均を採用、その時代に勢いがある大型株を株価に反映できるメリットがあります。
やっていることは順張り投資で株価が上昇した株の比率を高め、下落した株を買わず、比率を下げる方法。
時価総額加重平均は一般的に均等加重の指数よりパフォーマンスが高い傾向にあります。
なお、SOX指数は30銘柄と企業の分散は効いていますが、1つのセクターに集中投資しているので分散が効いているといえません。
セクター全体が下落している局面ではむしろレバレッジがきいたように下落するリスクがあるでしょう。
今後のさらなる半導体需要が期待できる
SOX指数の魅力として、やはり市場が拡大傾向にあることです。
今後のさらなる半導体需要に期待ができます。
下の図は半導体市場規模の推移、半導体の項目別市場予想を示しています。
図をみるとわかるように半導体市場規模の推移は増加傾向、項目別の市場予想をみても右肩あがりに成長する予想です。
2020年と比べると2030年には半導体市場が2倍以上に成長する見込み!
特に増えていくと予想されるのが「サーバー、データセンター、ストレージ」の市場です。
クラウドやスマホのデータなどを管理するための場所がまだまだ足りず、そのための半導体が必要になるとのことです。
この半導体需要がSOX指数の上昇に寄与すると考えます。
SOX指数の特徴 – NASDAQ100と徹底比較−
アクティブな投資先として有名なNASDAQ100との比較からみるSOX指数の特徴を解説します。
- SOX指数はNASDAQ100よりエヌビディアの比率が高い
- SOX指数はNASDAQ100よりハイリターン??
- SOX指数はNASDAQ100よりハイリスク
SOX指数はNASDAQ100よりエヌビディアの比率が高い
SOX指数とNASDAQ100のエヌビディア比率は以下の通り。
構成銘柄 | SOX指数 | NASDAQ100 |
エヌビディア | 10.7% | 5.6% |
ファンド月間レポート(2024.2)
このようにNASDAQ100よりSOX指数のほうがエヌビディアに集中投資できることがわかります。
2023年から2024年初頭にかけては確実にエヌビディアが米国株を牽引しました。
下の図はエヌビディアとS&P500の直近5年間の比較チャートです。
エヌビディア | S&P500 | |
値上がり率 | 2001% | 87% |
この比較からわかるようにエヌビディアのパフォーマンスは圧倒的です。
このパフォーマンスをより多く取り入れたいのならSOX指数に投資するのがいいでしょう。
SOX指数は時価総額加重平均を採用しているので今後はエヌビディアの成長とともに比率がもっと多くなっているはずです。
エヌビディアに直接投資をすればといいという方もいるかもしれませんが、リスクが高いのでおすすめはしません。
また現在の株価は950ドル前後のため、1株でも買うのに14万円ほどの資金が必要になります。
SOX指数はナスダック100を超えるパフォーマンス??
直近5年のSOX(赤線)、ナスダック100(緑線)、S&P500(青線)のチャートは以下の通りです。
直近5年のパフォーマンス
SOX(赤線):+261%
ナスダック100(緑線):+152%
S&P500(青線):+81%
直近5年をみるとSOX指数のパフォーマンスはあのナスダック100を完全にアウトパフォームにしています。
しかし、切り取る期間かえて直近20年のリターンを比較してみましょう。結果は以下の通り。
直近20年のパフォーマンス
SOX(赤線):+757%
ナスダック100(緑線):+1091%
S&P500(青線):+330%
先ほどの直近5年リターンとは違い、SOX指数よりナスダック100のほうがハイリターンという結果になりました。
20年の長期でみれば、ナスダック100のほうがハイリターンを叩き出していることがわかりましたね。
またチャートを見てみるとSOX指数は2017年ごろまではS&P500よりリターンが低いことがわかります。
SOX指数の成長はここ5年くらいのものなのでしょう。
SOX指数はNASDAQ100よりハイリスク
下落時のチャートやボラティリティ(値動き幅)を見てSOX指数とNASDAQ100のリスクを比較してみましょう。
下落時のチャート
先ほどのチャートは株価の上昇局面を示していましたが、下落時のことも考えましょう。
2022年1月から2023年1月までのチャートをみてみましょう。
2022年は米国の利上げによるベア相場でした。
値上がり率
SOX指数(赤線):-33%
NASDAQ100(緑線):-29%
S&P500(青線):-16%
結果、2022年のパフォーマンスはSOX指数が1番悪い結果になりましたね。
SOX指数は株価が下落基調の際は値下がりが激しいことがわかります。
SOX指数に投資する際は株価下落のリスクも承知で投資しなければなりません。
年率換算ボラティリティの比較
次に直近5年間のSOX指数とナスダック100のボラティリティ(価格変動幅)を計算してみました。
(参考にS&P500も計算)
直近5年の年率換算ボラティリティ | |
SOX指数 | 36.2% |
NASDAQ100 | 25.7% |
S&P500 | 21.3% |
ボラティリティの意味するところはSOX指数であれば1年で36.2%以下の値動きが68%の確率(標準偏差の性質)で起こることを示しています。
要は値動きの幅が1年で±36.2%である確率が高い(7割弱)ということ。
直近5年のチャートを見てみると基本的にSOX指数は常にNASDAQ100やS&P500より値動きが激しいことがわかりますね。
SOX指数に投資をするならこのハイリスクを考慮して投資しなければなりません。
資産形成とは長期保有できるかということが1番重要であるため、この値動きに精神的に耐えられないという方はNASDAQ100、もしくはさらにリスクの低いS&P500への投資をおすすめします。
新NISAでおすすめのSOX指数銘柄
新NISAでSOX指数に投資できるおすすめの商品は以下の2つです。
上記2つ以外にもグローバルX半導体ETF(2243)が候補ですが信託報酬率が0.4125%と高いのでおすすめしません。
運用コストが比較的安い
どちらの商品も信託報酬が0.2%前後とオルカンやS&P500に連動するインデックスファンドが高めですが、0.2%以下とアクティブな投資としてはまずまずな運用コストではないでしょうか。
アクティブな投資商品と信託報酬を比較してみましょう。
投資信託 | 信託報酬率 |
ニッセイSOXインデックス | 0.1815% |
iFreeNEXT FANG+インデックス | 0.7755% |
ニッセイNASDAQ100インデックス | 0.198% |
同じアクティブな投資先であるFANG+に投資するよりもコストがかなり安いことがわかります。
またナスダック100よりもコストが若干安いこともわかりましたね。
コスト面ではかなり安い部類ではないでしょうか。
ニッセイSOXは純資産が200億円を突破!
わずか1年弱で純資産が200億円を突破しました。
セクター集中投資の商品としてはかなり売れている部類に入ります。
下が純資産の推移チャートになります。新NISAがはじまった2024年1月からの伸びがすごいですね。
なんで、純資産額が大きい方がいいの?
実は2つのメリットがあるんだよ!
1つ目:償還リスクがなくなる。
2つ目:信託報酬率を下げられる可能性がある。
ファンドの人気がなくなると償還(ファンド自体がなくなる)され、強制的に売却されてしまうリスクがあります。
純資産額が大きいとこの償還リスクがなくなります。
また純資産額が大きいと売り上げも大きいため、信託報酬率の引き下げが行われる可能性があります。
200億円もあれば今後、償還されるリスクもないでしょう。
【新NISA】SOX指数のまとめ
以上、「SOX指数の概要」と「NASDAQ100と比較したSOX指数の特徴」をまとめました。
最後にこの記事で紹介した内容をまとめてみましょう!
- SOX指数は半導体関連の30銘柄で構成 構成比率は時価総額平均加重を採用
- 2020年と比べると2030年には半導体市場が2倍以上に成長する見込み!
- 新NISAでのおすすめ商品は「ニッセイSOXインデックス」と「楽天SOXインデックス」
アクティブ投資の中では0.2%弱とコストが安い。
・SOX指数の方がNASDAQ100よりエヌビディアに集中投資できる
→構成比率 SOX指数:10.7%、NASDAQ100:5.6%
・SOX指数のほうがNASDAQ100よりハイリターン
→直近5年間リターン SOX指数:+261%、NASDAQ100:+152%
※ただし、20年で見るとNASDAQのほうがハイリターン
・SOX指数の方がNASDAQ100よりハイリスク
→直近5年の年率換算ボラティリティ SOX指数:36.2%、NASDAQ100:25.7%
SOX指数については直近5年のパフォーマンスはNASDAQよりいいですが、長期の20年でみたときにはNASDAQよりパフォーマンスが悪く、新NISAでの長期投資には不向きであると言わざるおえません。
またリスクについてもNASDAQ100より高く、高いリスクに対してのリターンがNASDAQより悪いのが個人的には気になるところです。
よってSOX指数は今後の20年は半導体の時代だと信じられる方が投資する商品になります。
当ブログでは一貫して新NISAではよりリスクの少ない、S&P500やオルカンなどのインデックス投資をメインにすることをおすすめしています。
今回紹介したSOX指数に投資する場合はあくまでサブとして資産の1〜2割以下で運用するようにしてください。
その方が、精神的にも安心して長期投資ができます。
新NISAでもっとも重要なのは相場から降りず、長期で居続けることです。それが最も再現性高く、勝率が高い方法なのでその点を考慮して、SOX指数に投資してください。
最後に、記事で紹介したSOX指数に興味を持った方はアクティブな投資について検討している方だと思います。
以下の記事ではSOX指数を含めてアクティブな投資を紹介しているので参考にしてみてくださいね。
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