【オルカンの中身】知っておきたい日本企業への投資比率と具体的な銘柄

2024年から新NISAが始まり、「オルカン」こと「eMAXIS Slim オールカントリー」が証券会社の投資信託ランキングで常に1位を獲得しており、大人気です。

しかし、実のところ、自分が投資している「オルカン」の中身がわからない人が多いのでは?

自分が投資している商品について理解が足りないと暴落や不況がきた時に不安になり狼狽売りしてしまいます。
インデックス投資で重要な相場から降りず、長期で居続けることができなくなってしまうのです。

今回はオルカンの中身の概要から、特にオルカンの中の日本企業に特化した記事になっています。

オルカンにどれくらいの日本企業が含まれているのか?
・オルカンにどの日本企業が入っているのか?

意外と知らない人がいるということでこの記事で紹介したいと思います。

モブたぬき

オルカンに日本企業が5%くらいはいってたような。でもどこの企業だろ?わからないや。

矢五郎

よく知っているね!オルカンの中の日本企業の比率は5.5%だよ。
どの日本企業が、どれくらい入っているのかはこの記事で詳しく解説するね!

この記事の前半部分では「オルカンの概要」を解説、後半部分では「オルカンの中の日本企業」を紹介します。

この記事を読めば、自分が投資しているオルカンの中身がわかるようになり、より投資握力(狼狽売りしない力)が高まりますよ。

矢五郎

私は2019年からNISAを取り組み、
現在、1000万以上の投資を行っています。
下画像の通り、オルカンへの投資もしており、今回構成される日本企業を調査しました。

SBI証券[旧イー・トレード証券]
目次

オルカンの概要

まずオルカンについて解説します。

オルカンとは

オルカンとは
三菱UFJアセットマネジメントが運用している投資信託の1つで
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の略語

概要は以下の通り。

スクロールできます
オルカン
正式名称eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
運用会社三菱UFJアセットマネジメント
ベンチマークMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
(配当込み、円換算ベース)
純資産額(2024/4/24時点)3兆750億円
信託報酬率0.5775%

ベンチマークは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」で先進国23カ国と新興国23カ国の大型株、中型株で構成された指数です。

オルカンはこのACWIの配当込み、円換算ベースに連動した投資成果を目指して運用しています。

新NISAが始まったこともあり、純資産額は3兆円を超え、売れに売れているファンドになります。

人気の理由は「世界分散投資ができること」と「0.5775%という信託報酬の安さ」にあると思います。

オルカンの国別構成比率

オルカンの国別構成比率は以下の通り。

出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)交付目論見書より

オルカンは全世界に分散投資しているのですが、アメリカだけで62.3%ということで、ほとんどアメリカに投資しているというのがわかりますね。我が国日本は5.5%と比率がかなり低いです。

なぜこのような比率となるのか?

オルカンは時価総額加重平均を採用しているから。

時価総額平均加重とは時価総額が大きい、つまり上昇している銘柄に投資し、下落した銘柄に投資しません。

順張り投資となり、均等加重を採用している指数より一般的にパフォーマンスが良いとされています。

ファンドの仕組み

ベンチマークは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」ということですが、

実は「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に直接投資していません。

下の図の通り、外国株(先進国株)、新興国株、日本株の3つのマザーファンドに投資しながら、ベンチマークの「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」の成績を目指しています。

出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)交付目論見書より

国別比率からわかるように以下の比率で投資しています。

組入ファンドマザーファンド名組入比率
外国株式
インデックスマザーファンド
MSCI
コクサイ・インデックス
83.7%
新興国株式
インデックスマザーファンド
MSCI
エマージング・マーケット・インデックス
10.7%
日本株式
インデックスマザーファンド
MSCI
ジャパン・インデックス
5.5%
出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)交付目論見書より

オルカンに含まれる日本企業

先ほど説明したファンドの仕組みの通り、オルカンは日本株式インデックスマザーファンドである「MSCIジャパン・インデックス」に投資しています。

よってオルカンに入っている日本企業とは「MSCIジャパン・インデックス」に採用されている企業ということになりますね。

MSCIジャパン・インデックスに採用されている日本企業

実際にオルカンを通じて投資しているのはMSCIジャパン・インデックスとなります。

MSCIジャパン・インデックスは日本に上場する大・中型株を対象にしたインデックスであり、採用されている日本企業は237銘柄になります。

この指数の組み入れ上位30銘柄は以下の通り。

銘柄比率( ジャパン・インデックス)比率(オルカン全体)
トヨタ自動車5.81%0.320%
ソニーグループ3.10%0.171%
三菱UFJフィナンシャルグループ2.81%0.155%
キーエンス2.36%0.130%
東京エレクトロン2.18%0.120%
日立製作所1.88%0.103%
信越化学工業1.83%0.101%
三井住友フィナンシャルグループ1.80%0.099%
三菱商事1.55%0.085%
リクルートホールディングス1.53%0.084%
第一三共1.47%0.081%
任天堂1.39%0.076%
本田技研工業1.37%0.075%
三井物産1.36%0.075%
伊藤忠商事1.35%0.074%
KDDI1.33%0.073%
東京海上ホールディングス1.28%0.070%
武田薬品工業1.28%0.070%
ファーストリテイリング1.26%0.069%
ソフトバンクグループ1.18%0.065%
みずほフィナンシャルグループ1.18%0.065%
HOYA1.13%0.062%
ダイキン工業1.12%0.062%
オリエンタルランド1.07%0.059%
ソフトバンク1.00%0.055%
NTT1.00%0.055%
村田製作所0.95%0.052%
JT0.89%0.049%
セブン&i ホールディングス0.84%0.046%
SMC0.82%0.045%
出典:MSCI 公式https://www.msci.com/home (2023.12.1データ)より

オルカンはこの「MSCIジャパン・インデックス」に全体の5.5%しか投資していないので上記企業のオルカン全体での比率はさらに小さくなり「MSCIジャパン・インデックス」の比率に5.5%をかけたものになります。
1番右にその比率を計算したものを載せました。

実際にオルカンを通じて投資しているのは1番右の欄の比率になるでしょう。

ベンチマークのACWIに採用されている日本企業

ではベンチマークである「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」に採用されている日本企業はどこなのか?そしてどれくらいの比率で入っているのかを紹介します。

組み入れ上位30銘柄は以下の通り。

銘柄比率
トヨタ自動車0.315%
ソニーグループ0.168%
三菱UFJフィナンシャルグループ0.152%
キーエンス0.127%
東京エレクトロン0.118%
日立製作所0.102%
信越化学工業0.099%
三井住友フィナンシャルグループ0.978%
三菱商事0.084%
リクルートホールディングス0.083%
第一三共0.079%
任天堂0.075%
本田技研工業0.074%
三井物産0.074%
伊藤忠商事0.073%
KDDI0.072%
東京海上ホールディングス0.070%
武田薬品工業0.069%
ファーストリテイリング0.068%
ソフトバンクグループ0.064%
みずほフィナンシャルグループ0.064%
HOYA0.061%
ダイキン工業0.061%
オリエンタルランド0.058%
ソフトバンク0.054%
NTT0.054%
村田製作所0.051%
JT0.048%
セブン&i ホールディングス0.046%
SMC0.044%
出典:MSCI 公式https://www.msci.com/home (2023.12.1データ)より

「オルカン全体のMSCIジャパン・インデックス企業の比率」と「ACWIの中の日本企業の比率」はほぼ変わらない。

さすがは三菱UFJアセットマネジメントさんですね。

違う指数に投資していてもベンチマークとほぼ同じ比率となっていることがわかりました。

オルカン全体から見た日本企業

いかがだったでしょうか?オルカンに投資すれば日本で有名な企業には満遍なく投資していることがわかりましたね。

ただし、個々の企業への投資は少ないもので日本で1番有名な「トヨタ自動車」でさえも0.32%しか投資していないということがわかります。

ここで米国のビッグテックであり、時価総額ランキング1位の「アップル」と「トヨタ自動車」のオルカン内の投資比率をくらべてみましょう。

銘柄投資比率(ACWI)
アップル4.63%
トヨタ自動車0.32%

米国のビッグテックがいかに時価総額がでかいのかがわかりますね。

オルカンに投資した場合、「アップル」には463円、「トヨタ自動車」には32円投資することになります。その差は約14倍です。

また米国のビッグテック2社の「アップル」と「マイクロソフト」を合わせるとオルカンの8%超となり、日本企業全体の比率5.5%より高くなるのは悲しいですね。

いかにオルカンの中身の大半が米国のビッグテックであり、日本企業の存在感はあまりないことがわかるでしょう。

オルカンの中身 まとめ

以上、「オルカンの概要」と「オルカンの中の日本企業」をまとめました。

最後にこの記事で紹介した内容をまとめてみましょう!

  • 「オルカン」はeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の略語
  • オルカンのベンチマークは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」
    ただし、ACWIには直接投資しておらず、外国株(先進国株)、新興国株、日本株の3つのマザーファンドに投資している。
  • 日本株のマザーファンド「MSCIジャパン・インデックス」への投資比率は5.5%
  • オルカンの国別比率はアメリカが62.3%であり、ほぼ米国企業への投資である。
  • 「オルカン全体のMSCIジャパン・インデックス企業の比率」とベンチマークの「ACWIの中の日本企業の比率」はほぼ変わらない。
  • 米国のビッグテック2社でオルカンの比率8%超となり、日本企業全体の投資比率を超える。日本企業の存在感はあまりない。

いかがでしたでしょうか?

今回はオルカンの概要から特に日本企業に特化してオルカンの中身を解説しました。

みなさんが投資している「オルカン」について理解が深まったと思います。

自分の投資した商品についてはよく理解し、暴落や不況がきた時にも相場から降りず、長期で居続けるようにしてください。

みなさんが選んだもしくは選ぼうとしている「オルカン」は現代ポートフォリオ理論からして最強の投資商品の1つだと思います。

日本の存在感はあまりありませんが、世界分散投資ということでリスク分散が効いております。また現在は米国の比率が多いですが、今後、米国以外が伸びた時は時価総額加重平均に従い、その国の投資比率を増やすのでは米国のみのS&P500よりはリスクが少ないでしょう。

今後も今回のように投資商品の中身を紹介する記事を書くのでよかったら見てきてください。そして自分の投資する商品について理解を深めて投資握力を高めていってくださいね。それが投資で成功する再現性の高い方法だと思います。

最後に、記事で紹介した「オルカン」に興味を持った方は新NISAを始めて間もない方もしくは新NISAを始めるか検討している方だと思います。

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ぜひ検討してみてくださいね。

また新NISAをはじめるか検討している方は以下の記事でおすすめの証券会社を紹介しているので参考にしてみてくださいね。

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この記事を書いた人

こんにちは、矢五郎です。
「新NISAを多くの人に、特に子育て世帯に広めたい」をテーマに情報発信しています。
2019年からNISAに取り組み、現在1000万以上の投資を行っています。
・S&P500派
・高配当株も少々
・仮想通貨も味付け程度に
・30代エネルギー業界サラリーマン
・5歳と1歳の男の子を育てるパパ

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