2024年から新NISAが始まり、「オルカン」こと「eMAXIS Slim オールカントリー」が各証券会社の投資信託ランキングで常に1位を獲得しており、大人気です。
しかし、全世界株式には「オルカン」の他に「eMAXIS Slim全世界株(除く日本)」があり、どちらがいいのか迷っている人もいるかと思います。
そんな人のために、この2つの投資商品を比較したいと思います。
そんなわけで今回は「オルカン」と「除く日本」の比較記事になっています。
「オルカン」と「除く日本」はどっちがリターンがいいんだろ?
オルカンと除く日本について
投資リターンや国別割合などを
この記事で詳しく解説するね!
この記事では、投資リターン、コスト、国別投資割合など、さまざまな観点から両者を比較していきます。
この記事を読めば、「オルカン」と「除く日本」のどちらに投資すればいいのか参考になるでしょう。
私は2019年からNISAを取り組み、
現在、1000万以上の投資を行っています。
下画像の通り、オルカンへの投資もしております。
オルカンと全世界株式(除く日本)の比較
オルカンと全世界株式(除く日本)について以下の項目で比較していきます。
- 国別投資割合の比較
- 投資リターンの比較
- コストの比較
- 純資産額の比較
国別投資割合の比較
eMAXIS Slim オールカントリーは、日本を含む全世界の株式市場に分散投資します。
一方、全世界株式(除く日本)は、日本を除いた全世界の株式市場に投資します。
具体的な国別投資割合は以下の通りです:
オルカンの国別投資割合↓
オルカンの日本比率は5.5%と小さいですね。アメリカが62.3%となっており、オールカントリーといいながらもほとんどアメリカに投資していることがわかります。
全世界株式(除く日本)の国別投資割合↓
「除く日本」を見てみると日本の5.5%がなくなり、その分アメリカの割合が3.5%ほど増え、残り2%が他の国に振り分けられた格好になっています。
日本市場への投資を避けたい場合は、全世界株式(除く日本)が適していると言えます 。
投資リターンの比較
投資信託の投資リターンは、投資商品を選ぶ上で最も重視するポイントです。
両者の投資リターンを比べてみました。
比較項目 | オルカン | 除く日本 |
---|---|---|
3年間騰落率(2024.5.24) | 70.82% | 71.91% |
5年間騰落率(2024.5.24) | 146.21% | 149.46% |
上の表の通り、オルカンと除く日本の投資信託は大きな差はありません。
しかし、わずかに全世界株式(除く日本)のリターンが高くなっています。
この差は、ここ最近の米国株の好調さが要因で「除く日本」の方が米国の割合が大きいため、投資成績の差に効いています。
コストの比較
コストも長期投資の投資信託を選ぶ上で重要な要素です。両者の信託報酬は以下の通りです
比較項目 | オルカン | 除く日本 |
---|---|---|
信託報酬率(〜2023.12) | 0.113% | 0.113% |
実質コスト(〜2023.12) | 0.15% | 0.15% |
信託報酬率(2023.12〜) | 0.05775% | 0.05775% |
実質コスト(2023.12〜) | 未定 | 未定 |
どちらも同じ信託報酬率、実質コストであり、コスト面は同じです 。
購入手数料もかからないため、長期的な投資である新NISAにも適しています。
純資産額の比較
オルカンと全世界株式(除く日本)の純資産額の大きさについては大きな違いがあります。
純資産額(2024.5.24時点)
オルカン :3兆4377.37億円
全世界株式(除く日本):5017.92億円
オルカンの純資産額は「除く日本」の約7倍の純資産額があることがわかりますね。
オルカンの純資産額は投資信託のランキングで「eMAXIS Slim 米国株S&P500」についで国内2位となっています。
下の図がオルカンの純資産額の推移ですが、2024年1月の新NISAの始まりからものすごい勢いで売れており、純資産額が増えていることがわかります。
なんで、純資産額が大きい方がいいの?
実は2つのメリットがあるんだよ!
1つ目:償還リスクがなくなる。
2つ目:信託報酬率を下げられる可能性がある。
ファンドの人気がなくなると償還(ファンド自体がなくなる)され、強制的に売却されてしまうリスクがあります。純資産額が大きいとこの償還リスクがなくなります。
また純資産額が大きいと売り上げも大きいため、信託報酬率の引き下げが行われる可能性があります。あまり期待しすぎるのは良くないですが、純資産額が大きければそういう棚ぼたもあるかも!
「オルカン」と「除く日本」どっち?選ぶポイント4選
「オルカン」と「除く日本」のどっちに投資するか迷うと思いますが、以下の4つのポイントで選ぶと良いでしょう。
- 日本経済の成長性をどうみるか
- 日本株をもっているか
- 現金と株式の比率
- 時価総額加重平均に委ねる
日本経済の成長性をどうみるか
まずは日本経済の成長性をどうみるかです。
日本経済の先行きには以下の懸念があります。
- 少子高齢化による人口減少
- GDP成長率の鈍化
- 自民1強政党の定着
以上のような懸念点により、日本経済の先行きは暗く、日本経済の成長性が全くないと思う方は「除く日本」を選ぶといいでしょう。
ただし、日本株の成長余地も残されており、以下の明るい兆しも見え始めています。
- 日経平均が34年ぶりに史上最高値
- デフレからの脱却
- PERから見る日本株の割安感
- ウォーレン・バフェットの5大商社株買い
日経平均株価は2024年2月に1989年につけた史上最高値(3万8915円)を更新しました。新高値は基本買いとなり、今後の株価の上昇が予想できます。
また2023年ごろからインフレが進み、30年続いたデフレからの脱却を果たしています。インフレが進み、賃金上昇につながれば消費者の消費意欲も増し、経済成長につながると考えます。
次に取り上げるのが日本株のPER(株価収益率)の低さです。PERはよく株価の割安か割高かを判断するのに使われますが、今の日本株は14.6倍と大人気の米国株の23.2倍に比べて割安感があります。
さらに昨年からは実際、投資の神様と称されるウォーレン・バフェットの5大商社株買いがありました。割安に放置されている優良株を買うのがバフェット氏の投資法なので日本株が割安である証明にもなりますね。
以上の4点により、日本経済の成長余地を感じれる方は「オルカン」を選択されるといいでしょう。
私も上記の明るい兆しを信じて「オルカン」に投資しています。
日本株をもっているか
私たち日本人は日本株の情報収集が容易であり、親しみもあることから始めは日本株を持つことが多いでしょう。
すでに日本株の個別株や日経平均に連動した投資信託をもっている方は「オルカン」をメインで買うとポートフォリオの日本株の比率が多くなってしまうので「除く日本」をもつのもありでしょう。
現金と株式の比率
私たち日本人は日本円で生活しており、日本円を多く保有しています。
現金比率の多い人は日本円の比率が高いので通貨分散の観点から「除く日本」を選択するのもありです。
通貨分散を行い、リスク分散することで円安のダメージを軽減できます。
時価総額加重平均に委ねる
未来は不確実で誰にもわかりません。
不確実な未来に柔軟に対応できる「オルカン」を選択するのがよいでしょう。
オルカンは日本への投資を含めますが時価総額加重平均を採用しています。
時価総額平均加重:時価総額が大きい株に高い比率で投資する。
つまり上昇株を多く買い、下落株は少なく買う順張りの投資である。
時価総額平均加重に委ねれば、日本経済が成長した場合、日本への投資割合が増やし、衰退した場合には日本への投資割合は減らします。
上記の投資割合は自動的にリバランスしてくれるので、オルカンを買って放置で問題ありません。
オルカンvs全世界株式(除く日本) まとめ
以上、「オルカンと除く日本の比較」と「選ぶポイント」をまとめました。
最後にこの記事で紹介した内容をまとめてみましょう!
まずはオルカンと除く日本の比較からです。
- オルカンは5.5%を日本に投資している。「除く日本」はその5.5%の内3.5%を米国にふりわけている。
- 投資リターンはほぼ変わらないが若干、「除く日本」が有利。
- コスト面は同じで、信託報酬率は最安クラスの0.05775%
- 純資産額は大きな差があり、オルカンは「除く日本」の約7倍
次に選ぶポイント4選です。
- 日本経済の成長性をどうみるか
少子高齢化などの懸念もあるが、日経平均史上最高値やPERから見る割安感などの明るい兆しもある。 - 日本株をもっているか
日本株を多くもっており日本株の比率が多すぎる場合は「除く日本」でもアリ。 - 現金と株式の比率
現金比率の多い人は日本円の比率が高いので通貨分散の観点から「除く日本」を選択するのもアリ。 - 時価総額加重平均に委ねる
オルカンの時価総額加重平均に委ねれば、日本株の比率は自動でリバランスされる。
いかがでしたでしょうか?
今回は「オルカンと全世界株式(除く日本)」についての記事でした。
この記事では「オルカン」と「除く日本」どっちに投資するべきかを知ることができましたね。
私個人としては時価総額加重平均に委ねて「オルカン」に投資するのがベストであると考えております。ただし、日本個別株や現金の比率が多い人は「除く日本」でもアリです。
どちらにするかはみなさんのポートフォリオの状況に合わせて決めるとよいでしょう。
重要なのはこの記事を読んだように自分が投資する商品の理解を深め、何があっても相場から離脱しない投資握力を高めることです。
「オルカン」でも「除く日本」でもインデックス投資なので相場から降りず、長期で居続けることが再現性高く勝つ唯一の方法です。
このブログではみなさんの資産形成を情報発信という形で応援しています。
ぜひお役立てください。
最後に、記事で紹介した「オルカン」や「除く日本」に興味を持った方は新NISAを始めて間もない方もしくは新NISAを始めるか検討している方だと思います。
以下の記事でおすすめの証券会社を紹介しているので参考にしてみてくださいね。
コメント